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そう言って司令室に勢いよく入ってきたのは、タミオスだった。彼もまた、大聖堂の件で振り回されている人間の一人だ。
「大聖堂に、火が放たれた。すぐに消火、人命救助に当たる」
「部長。大聖堂ですか? 王城ではなく?」
ナシオンの声に、タミオスが目を細くする。
「王城……? 火があがってるのか?」
開け放たれた窓から、燃えあがる炎が見えた。
「王城も? ちょっと待て。大聖堂から火の手があがったと俺は報告を受け、手の空いている者はそっちへ向かうように指示された。まずは、大聖堂に向かってくれ」
「王城はどうするんですか?」
ナシオンが声を荒らげる。
「とにかく今、他の者も呼び出し、すぐさま救助に当たるように指示を出す。王城には近衛騎士らが控えているから、彼らを信じるしかない」
「ナシオンさん。部長の指示に従いましょう。私たちは大聖堂に……」
誰もが、タミオスの言葉に従い、大聖堂へ向かおうとしたとき――。
ドーン! と、近くで爆発音が聞こえ、目の前が真っ暗になった。
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わたくしは、隣国グラニト国の出身です。
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