第八章

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 そこから、大聖堂でのわたくしの生活は一変しました。  前の聖女様から引継ぎ、次はわたくしが聖女として、みなの模範となり、人々を導いていく立場となったのです。  もちろん、まだ十三歳でしたので、そこには教皇や枢機卿の助けが多くあったのも事実。  そしてわたくしが聖女となって数日後、前の聖女様はお亡くなりになられました。  それから一年後、わたくしはカリノと出会ったのです。  戦争孤児を、巫女や聖騎士見習いにするというのは、教皇の考えです。  表向きは魔石の採掘権を巡ってグラニト国と争ったとされていますが、それを口実に戦争を起こし、一つの町を潰すのが目的だったのです。  それが鉱山近くにある国境の街、グルです。  そう、カリノたちが住んでいたあの街ですね。  そうやって彼らは、定期的に巫女や聖騎士見習いとなる子どもたちを手に入れていたのです。  さすがに、そろそろ子どもをさらってくることに限界を感じていたのでしょう。   どうして、子どもたちが必要なのかって?  巫女にするためです。最終的には、聖女、もしくは上巫女ですね。
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