2.ユイト

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 レオと話しているシエルは、おれたちと同じ年相応の笑顔を浮かべたり、冗談を言ったりするし、たまにイタズラをしてレオを怒らせて笑っている。  が、レオのいないところで二人きりになると、途端に雰囲気が変わる。まるでレオ以外はどうでもいい、空気とさえ思っているんじゃないかってくらい違う。  そんなシエルが、レオと仲良く風呂に入って、しかも髪を洗ったりしているなんて、どう受け止めて良いのかわからない。 「お前らだって人と風呂くらい入るだろ?ピニョが女子寮でお前らと風呂入ってんのと何が違うんだ?」 「それは、大浴場で楽しくおしゃべりしたりする時はあるけど、狭いバスタブに男二人で入って楽しい?」 「待て待て、そもそも風呂に楽しさなんて求めてねぇ。体を洗うために入るんだから。俺は別に綺麗にできりゃ川でも井戸でもどこでもいい。それにどうせ二人とも入るんなら、一緒に入ろうが何も問題はないだろ」  レオの理屈はわかるが、問題ないわけがない。少なくともおれは、レオとは絶対に風呂に入りたくない。  ……多分めちゃくちゃ勃つ。  別に自分がそっちの気があるというわけじゃない、と思いたいが、レオを見ていると自信がない。  だってどんな人間も猿に見えるくらいに、レオは整いすぎているのだ。性別とか超越していて、多分神様がいるとしたら、この世に創り出した物の中でも間違いなく最高傑作だろう。そして神様だって絶対にレオで抜いてるね。間違いない。  まあそれくらい、レオの裸は全人類を興奮させる。まあ、見たことないんだけどさ。  そんなレオが、こちらもまた見目麗しい、一見すると何処かの貴公子か王子様に見えるガチ貴族のシエルと二人、イチャイチャと風呂に入っているところを想像してみろ?  その気のある女子(或いは男子)は、バスルームの壁の、タイルの一欠片にでもなりたいと心底願う。間違いない。
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