破られた均衡

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「やはり、織田信長でしたか」アインシュタインはため息をついた。「まあ、予想通りではありますが」 「そういうこともあって、しばらくあなた達と行動を一緒にさせてもらいます。私は尼将軍というあだ名がありますが、あくまで統治が得意なだけなので」 「いいんじゃないかしら。私も女性仲間が欲しかったの」 「ナイチンゲールさんがそう言うのなら」とダーウィン。  龍馬はホッとした。これで単独行動なのは山本五十六と宮本武蔵だけだ。もし――起きてほしくないが――殺人事件が起きてもどちらか二人が犯人ということになる。龍馬がふと時計を見ると、ここに閉じ込められてから5時間が経ったらしい。あと17時間のうちに誰かが死ななければならない。  ちょっと待てよ。このまま誰も死ななければ? ルールには誰も死ななかった場合のことは書いてなかったはず。デバイスで再確認する。やはり、記述がない。残酷なゲームマスターのことだ、その場合は何らかの方法で――遠隔操作で電気ショックを浴びせるなどで――人を殺すのだろう。それか皆殺しか。龍馬は考えるのをやめた。残り時間のうちに指摘すればいいのだ、ゲームマスターを。そうと決まれば情報を集めるのみ。 「みんな聞いてくれ。ゲームマスターを見つけるためにも積極的に行動すべきだ。情報収集のために」  あたりから賛同の声があがる。 「じゃあ、決まりだ。三人以上でグループを組んで探索といこうか」
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