最初の犠牲者

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最初の犠牲者

「あの場では言わなかったが、うまくいくとは思えんな」  龍馬は足利尊氏の意見に反論することは出来なかった。簡単にいかないことは龍馬自身が一番分かっていた。それでも、何もしないで死を待つよりはましだ。 「私が思うに、ゲームマスターは他の参加者が持っていない物を部屋に隠し持っているのではないでしょうか」と聖徳太子。  一理あるが、織田信長たちが協力してくれるとは思えない。後々それ以外の者たちで部屋の探索を行うしかないだろう。 「しかし、こうも団体行動ばかりだと神経が参りますね」聖徳太子は伸びをする。腕につけたブレスレットの装飾がきらりと光る。紫色か。そういえば紫色は飛鳥時代では一番高貴な色だったな。 「どこかで休憩をするしかないな。坂本殿はどう思う?」 「団体行動が安全だと思うが、強制はできない。二人に任せた」 「よし、今から10分ほど休憩としよう。それでいいだろう、聖徳太子?」  足利尊氏の問いかけに聖徳太子は無言で頷いた。「じゃあ、10分後にここで」
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