血塗られた密約

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「そうね、死後30分以内かしら」ナイチンゲールは遺体から離れると静かに告げる。  死後30分。ちょうど足利尊氏、聖徳太子と別れた時間だ。あまり考えたくないが、二人のうちどちらかが犯人の可能性がある。 「なるほど、最初の犠牲者は織田殿であったか」宮本武蔵がダーウィンに連れられて広間に入ってくる。「これで問題が一つ解決したな。今日一日は他に誰も殺されないということだから」と続けて。 「まあ、事実ではあるがね、もう少しオブラートに包んでは?」 「そういう山本五十六殿も安堵しておられると見える」 「男は野蛮ね。問題が解決したと言われましたが、犯人を一日で見つけなければならないという問題が発生したのですよ」と北条政子。  そうそれが問題だった。ここに閉じ込められてから7時間ほどしか経っておらず、情報不足の中での犯人捜しだ。もしかしたら犯人はこの状況を利用したのかもしれない。「さて、状況整理といこうか」
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