偉人によるデスゲームの始まり

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 龍馬が天国に来てから数分もしないうちに、次々と様々な格好をした人々がやって来た。「何かがおかしい」と龍馬は心の中で思った。もし、ここが天国ならば、この十数人しか天国に来ていないことになる。いくら短期間といえ、天国に来る資格がある人物がここまで少ないのだろうか? それはそれで悲しいことだ。  しばらくして、外国人と思われる女性が現れると、静かな空間に不気味な声が響いた。 「ここに集まってもらったのは偉人と呼ばれる人物だ。もちろん、君たちは『自分は偉人なのか?』と思う者もいるだろう。偉人と呼ばれるのは、死後のことが多いからな。一名、偉人で当たり前という反応の者もいるが」  それが誰を指しているかは明らかだった。龍馬のすぐ後にやって来た男だ。 「さて、諸君に集まってもらったのには理由がある。君たちにはこの空間で」  デスゲーム? 聞き慣れない言葉だ。だが、英語を知っている龍馬には、デスという言葉が死を意味していることはすぐに分かった。死のゲーム。不吉としか言いようがない。 「さて、ルールだが……」 「ちょっと、一方的に話すなんてどういうことかしら」 「失礼、ナイチンゲールさん」 「デスゲームって何? あまりいいこととは思えないけれども」 「簡単に言えば、ということです」不気味な声が淡々と言う。  ナイチンゲールと呼ばれた女性は予想外の回答に愕然としていた。
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