結束と分断

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 この中で誰と手を組むべきか。一人は決まっていた。足利尊氏だ。織田信長と黒田官兵衛の関係をすぐに見抜いたのだから、頭の回転が早いのは間違いない。仲間が足利尊氏だけでは心もとない。もし、万が一裏切られたら殺される未来が目に見えている。 「ダーウィンさん、アインシュタインさん。一緒に行動しませんか?」それはナイチンゲールの提案だった。  なるほど、軍人でない者同士で手を組めば、もし襲撃されても三対一。勝つ可能性がぐーんと上がる。 「坂本龍馬、手を組まないか」と足利尊氏。龍馬からすれば願ってもないことだった。理由を聞くと「黒田官兵衛が織田信長をリーダーにしようとした時に反対の意思が表情から読み取れた」とのことだった。表情に出さないように心がけていたが、隠しきれなかったらしい。生き残るためには今後は気をつけなければならない。 「そこに私も混ぜてくれませんか? 私はあくまで政治家。軍人や武将に襲われたら、ひとたまりもないですから」と聖徳太子。断る理由はどこにもなかった。龍馬たちは無言で頷く。 「話し合いはここまでだな。俺は一人で行動させてもらう」  山本五十六は冷ややかな表情で言い放ち、部屋を去っていった。その後、宮本武蔵と北条政子も無言でその後を追う。 「ひとまず、この空間の状況把握と行こう」  龍馬の提案に足利尊氏と聖徳太子は静かに頷いた。  
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