偉人によるデスゲームの始まり

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偉人によるデスゲームの始まり

 この空間に閉じ込められてから3日目。坂本龍馬はため息をついた。床に触れた手から冷たさが伝わってきた。このデスゲームの冷酷さと同じような冷たさが。  今日も誰かが死ななければならない。そうでなければ、参加者全員が死ぬことになる。龍馬は人の命は平等だと考えていたが、こればかりはどうしようもない。一日に一人が死ななければならない。それがこのデスゲームのルールなのだから。  龍馬には誰かを殺すつもりはない。そのような形での決着は望んでいなかった。何が何でも参加者に紛れたゲームマスターを指摘して、みんなでこの空間から脱出する。それが龍馬の求める終わり方だった。いくら理想論だと言われようとも。
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