甘い日常

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理玖くんと想いが通じ合って2週間が経ち、8月に入った。 今年の夏は過去最高の暑さであるとテレビのニュースが言っていたことを思い出し、外に出るのが億劫になる。 黒いノースリーブのサマーニットに薄ピンクのパンツを合わせ、首元には理玖くんからもらったネックレスを合わせてコーデをチョイスした。 ほんとはタイトめなスカートを履きたかったが、以前その格好で会社に出勤したら理玖くんにグチグチと説教された。 "こんな身体のラインが出る服を俺の前以外で着るなんて許さないよ" そんなセリフを吐いた理玖くんにその日の夜、お仕置と称して朝までめちゃくちゃに蕩けさせられた。 毎回あんなセックスをされたらとても身体がもたない。 そのため理玖くんに何か言われる前にコーデを考えるようになった。 今日はレシピアプリが完成したためクライアントにお披露目をする日だ。 会議にはプログラマーサイドから華乃子ちゃんも参加してくれる。 いつものように髪を整えバックにパソコンを入れて、耳に沿うような小さめのフープピアスを着けた。 このピアスには想い入れがある。 ガチャっと扉を開けるとほぼ同時に隣の部屋の扉が開き、そこから大好きな理玖くんが現れた。 半袖の襟付きのシャツにパンツスタイルという爽やかな見た目と裏腹に私に向ける視線は甘ったるく熱情が篭っている。 「陽葵ちゃんおはよ。今日も可愛いね。俺がプレゼントしたネックレスも着けてくれてるし」 「おはよ」 復縁してからというもの、理玖くんの言葉は終始甘い。 いつでも私を溶かそうとしているのか可愛いや好きという言葉を惜しげもなく私に投げかけてくれる。
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