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「おはよ華乃子ちゃん」
「あ、おはよ陽葵。今日の会議よろしくね」
「こちらこそだよ」
華乃子ちゃんの隣に自分のパソコンを広げ資料に視線を向ける。
資料にはクライアントに完成したアプリケーションの説明をするための説明書や使用方法が載っていた。
「最近なんか楽しそう」
「え、そうかな?」
「うん。四ノ宮さんのおかげかな?」
「どうだろ。でもそうかもしれない。理玖くんのおかげかもね」
健二くんに浮気された傷は自分では気にしていないと思っていたが、ふとした時にフラッシュバックする時があった。
浮気されたその悔しさや怒りが突然思い出される時がある。
だけど理玖くんはそんな私の気持ちや怒りを全て包み込むようにたくさんの愛を注いでくれた。
自分でも気づかないくらいの小さな負の感情も全てかき消すように理玖くんの大きな愛は私の心を溶けさせていく。
「そのうちバレそうだけど。陽葵と四ノ宮さんの関係」
「うそ?なんでそう思う?」
「隠しきれてないから。好き好きオーラが」
「え、やば!隠してるつもりなんだけど」
「あ、待って違うよ。陽葵じゃなくて四ノ宮さんの方がね」
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