甘い日常

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クライアントの方に見せる瞬間というのはいつも緊張するがこの瞬間のこういう表情を見られるのは私たちの仕事のやりがいの1つだと思う。 そして私たちが制作したこのアプリケーションが全国に広がっていくのを見ているのもまたやりがいを感じる瞬間だ。 華乃子ちゃんが一通りのアプリケーションの使い方や内容を紹介し終わると、2人は満足そうに微笑んでくれていた。 チラッと横に座る華乃子ちゃんを見ると同じく笑顔になっていて、2人でテーブルの下でガッツポーズする。 「百瀬さん、関さん。本当にありがとうございます!最高のアプリケーションが完成しました」 「そう言っていただけて私たちもすごく嬉しいです」 「お2人にお願いして本当に良かったです。ありがとうございます」 レシピアプリの制作はどうやら大成功のようでクライアントの2人にも満足してもらえたみたいだ。 私たちは更にアプリケーションの詳細やバグ発生時の対処法などをしっかり伝えていよいよお開きの時間となる。 華乃子ちゃんと2人でエントランスまで見送ると最後にクライアントの2人は深々と頭を下げた。 私たちもそれに返すように頭を下げ、2人を見送る。 姿が見えなくなるまで見送った私たちはお互い顔を見合って思い切り抱きしめ合った。 会社のエントランスのため周りの人たちの視線を注がれるが私たちは気にせずに喜びを分かち合う。 「やったね陽葵!」 「うん。ありがとね華乃子ちゃん」
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