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愛おしさが溢れたような視線を向けられる私の身体がかぁーっと熱くなるのが分かる。
それに気づいた理玖くんが私に手を伸ばそうとするが、ハッとした表情を浮かべるとその手は不自然に宙をさまよい理玖くんは自分の頭をそのままかいた。
「あぶね⋯普通に陽葵ちゃんに触れるとこだった」
「素が出てるよ理玖くん」
「ま、今は近くに人いないからさ」
確かに今は私たちの周りには近くに人がいないため、会話を聞いている同僚はいないだろう。
誰にもバレないように秘密を抱える私たちはそれだけで刺激的で高揚感さえ感じた。
「さっき圭哉とも話してたんだけど、今回のチームは相性がすごく良かったと思う。しっかり陽葵ちゃんがチームをまとめてくれてメンバーがそれに応えてくれた。これからはこのチームで案件を受け持つのもありだなって話してたんだ」
「え、それって⋯⋯」
「うん。チームを組むことを考えてみてもいいかもしれないね」
この会社は様々なクライアントからの案件を複数のシステムエンジニアがチームで受けている。
ベテランのシステムエンジニアなどはチームを組んでいることが多く、いわゆる新人などは常に同じチームで作業をするわけではなく都度変わることが多い。
そのためチームを組んでみることを提案してくれたということは、ベテランのシステムエンジニアの仲間入りの証なのだ。
私自身も今まではいろんなチームに参加して案件をこなしていたため、認められたことがすごく嬉しい。
「今までの仕事の功績や頑張りも圭哉から聞いてるし、陽葵ちゃんをチームリーダーとしてこの4人でチームを組んでみない?」
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