甘い日常

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しばらく腕の中で抱かれていると心も落ち着いてきたため、ありがとう、と言って理玖くんから離れる。 名残惜しそうな顔をされたが、ここは会社のため理性を働かせて平然を装った。 「陽葵ちゃんの泣き顔もそそられるんだけど」 「何言ってんの理玖くん。変態発言なんだけど」 「すげー可愛かった。グッときたんだけど、やば、早く帰って抱きたい」 「勝手に抱くこと決めないでもらっていいですかね?」 「え、だめだった?陽葵ちゃんならいいって言ってくれると思ってたんだけど」 そう言って理玖くんは離れたはずの私の腰をふたたび抱き寄せ自分に引き寄せる。 離れようとするものの力強く引き寄せられビクともしない。 「ねぇほんとにだめなの?陽葵ちゃん」 鍵を閉めているため誰も来ないのをいいことに理玖くんは私の腰を大きな手のひらで撫で上げ、そのままお尻の湾曲を味わうように触れる。 まるで誘うようないやらしい手つきに私の下腹部がキュンと疼いた。 確信犯のように口角を上げて微笑む理玖くんは、やっていることはいやらしいというのに悔しいがやっぱりかっこいい。 甘えるように見つめられてしまうと拒否できなくなってしまう。 結局のところ、私自身も理玖くんと触れ合う時間は嫌じゃないし、そうやって私を愛してくれるのが嬉しく思っていた。 理玖くんからの特別な愛を私だけに注いでくれることが何より幸せだ。 「いいよ理玖くん」
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