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「てかこんな顔で大丈夫だと思う?!」
「だ、大丈夫じゃないかな。いつも通り華乃子ちゃんは可愛いよ」
キリッとした見た目に反してこんな一面をもある華乃子ちゃんはすごく可愛い。
見た目は性格が強そうにも見える華乃子ちゃんだけど同じ女の私から見てもすごく綺麗だ。
「というか陽葵の方は?健二くんと最近会ってる?」
カップに注がれたブラックコーヒーをぐびぐびと飲み干した華乃子ちゃんが私の顔を覗き込む。
先程穏やかな時間、と言ったが前言撤回させていただきたい。
眠さと戦う華乃子ちゃんにとっては全く穏やかではなくこのコーヒーは眠気を消すための道具でしかないようだ。
まぁ徹夜明けの華乃子ちゃんにとっては仕方ない。
「いや⋯⋯それがなかなか時間合わなくて⋯」
「忙しいのは分かるけど時間作って会わないと知らない間に他の女とか作られちゃったりとかするよ?」
「確かに⋯⋯浮気されてもおかしくないよね」
「ちゃんと好きなら後悔しないようにね。よし、仕事しよ」
「私も仕事する」
立ち上がった華乃子ちゃんはもう一杯ブラックコーヒーをカップに注いでおり必死で眠気と戦おうとしているのが伝わる。
ふと私の頭の中に思い浮かぶのは健二くんに最後に会った時の事だ。
健二くんと2人で会ったのは2週間くらい前のことで、それも仕事終わりに一緒に夜ご飯を食べ一緒に夜を過ごした。
恋人らしい甘い夜を過ごしたわけだが、それを最後に健二くんには会えていない。
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