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4、高尾山
10月。二つの班の合同で、高尾山にハイキングに行くことになった。
親睦会だ。家族も参加OKだった。美沙は山口班長の婚約者なので当然来た。
真白は欠席するのも癪なので参加した。
ケーブルカーで上がれるところまでは上がって、そこからハイキングすることになった。舐めていた。全然、運動と言うものをしていない真白は、山頂の手前で動けなくなってしまった。
皆には先に行ってもらった。少し休んで、漸く山頂に辿り着くと皆はとっくにお弁当を広げていた。
真白は疲れ果てて、「ああ~っ!」と大声で叫んだ。
顔を手で覆って派手に前の地面に突っ伏した。
会社の人たちは、皆笑っていた。
一息ついて顔を上げた時、真白は見てしまった。山口班長と美沙の表情だけが、普通の笑いではない。明らかに真白を見下していた。
山口さんは、こういう人だったんだ・・・美沙とお似合いじゃないか。
私は一体何をしているのだろう。自分に合わない会社で、自分の方を合わせようとして努力するなんて馬鹿のすることだ。
この人たちが住む世界は、私の世界じゃない。
私が自分を嫌いならないうちに決着を付けようと思った。
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