文学熱中症

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 診察室を出て受付嬢に声をかけられた。 「熱中症ですか?」心配そうに彼女は聞いてきた。 「文学熱中症です、だって」彼は答えた。 「何ですか?」 「文学に熱中し過ぎだそうです」  とたんに彼女は笑顔になった。  クリニックから外に出て、そば屋まで平気で歩き戻った。 「どうした?」  店長にたずねられた。 「熱中症かと思って内科に行ったら、医師さんに文学熱中症ではないですか、だって言われた」彼は答えた。 「何だそれは」 「文学に熱中し過ぎらしい」 「めでたいじゃないか」 「いやどうも」 「君の文学熱も、病気のレベルまできたか?」  彼は店長と笑い店の室内で食事した。  そのあと彼はスマートフォンで投稿サイトに投稿した。
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