文学熱中症

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 彼はそば屋の昼食時は終わったので、奥の部屋で食事していた。その時にスマートフォンで投稿サイトに投稿してみようとしていた。  彼は書き込み投稿しようとしていた。スマートフォンに書いているうちに意識はあるがまぶたが閉じられてきた。そのままテーブルの上に上半身をのせて寝息のようなものをたてて寝ているようになったが、気がついて彼はそば屋のそばにある内科クリニックに歩いて来た。 「どうしましたか?」受付嬢に聞かれた。 「熱中症のようなので」彼は答えた。 「わかりました」受付嬢は答えると診察室に向かって行ったのか、姿が見えなくなった。  なぜかその時に待合室には、患者は彼一人であった。  すぐに看護師に呼ばれて、診察室に入った。 「どうしましたか?」医師に聞かれた。 「熱中症みたいになりました」 「熱中症?」 「はい」 「めまいはしましたか?」 「いいえ」 「汗を異常なくらい多量にかいたとか?」 「いいえ」 「または全然汗をかかないとか?」 「いいえ」 「まっすぐに歩けないとか?」 「いいえ」 「筋肉痛とか、けいれんとかはありますか?」 「いいえ」 「目の前が暗くなったとか」 「いいえ」 「ではどうしましたか?」 「ただ昨日帰宅してからずっと食事の支度と食事と片付け以外は読書したり、小説を書いていました」 「睡眠は?」 「9時間半くらい昨夜とりました」 「まさか今朝も小説を書いたとかありますか?」 「少し書きました」 「それで今スマホで投稿サイトに投稿しようとしていた?」 「はい」 「そのほかに普段とかわりはないですか?」 「かわりはないです」 「それは熱中症ではなくて、文学熱中症みたいなものではないですか」医師は言った。 「そんなのあるのですか」彼は聞いた。 「今作りました」 「それはいい、受けますね」気が付くと彼は笑っていた。  彼は医師とお互いに面白い、と笑い合った。  実際に医師の話しは面白かった。
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