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服の中に入り込んだ触手が肌を滑る。その度にヌラリとした粘液が身体にまとわりつき、その粘液でぬめった肌がジワジワと熱く変わってくると色々な部分がムズムズしだす。曽祖父の書いていた催淫作用っていうのがこれか……。
「な、んでっ……そんな際どい、とこまで触っといて……あう……放置するなぁぁ」
どうもコイツの知能を侮っていたけど、ちゃんと同意がないと本格的な行為には至らないようだ。ありがたいようなありがたくないような……。だって、それって先に進むってことは俺が望んだってことに他ならないんだから。
曽祖父の日記にちょっと引いたのは嘘じゃない。嘘じゃないんだけど……こんなの逆らえるやついるのか? とも思う。
孵化のときから見てきている触手ちゃんは俺にとって可愛いペットでもあり、それなりに愛着も湧いていて……決してお互いを傷つけるやつじゃないってわかっている。そして、曽祖父の日記からも、そういうことをして命の危険がないのもわかっている。
さらにはただこうやって身体を弄られているだけで、この気持ち良さだ……。ふーっふーっと身体の芯の熱を逃そうと息を吐くけど、そんなものなんの役にも立たない。
「なあ……絶対痛いのだけは止めてくれよ? ほんとに、その、怖いっちゃ怖いんだ……」
触手に絡みつかれ、足がつかない空中に持ち上げられている不安もあって顔の近くにあった一本の触手を握りしめてそう呟く。
『うわ……引く』とか思いつつも結局は何度も日記を読み込んでしまい、ありありと想像しては下を大きくしてしまっていた俺としては、曽祖父の追体験をリアルで経験できるのは正直……期待しちゃうんだよ。
こんなのただの変態かもしれないという考えもよぎるけど、研究者としての血筋も、触手を受け入れちゃえる血筋も、曽祖父から完全に受け継がれちゃってるんだからしょうがない。ただただ性的なことへの好奇心も混じっているのも否定できないけど。
俺が受け入れる姿勢を見せたからなのか、触手ちゃんは嬉しそうに(?)俺の口元へ何本も触手を伸ばしてきた。
口内を細い触手が撫で回し、オエってなりそうになったけどいつの間にか口内をぬらぬらと動かれてゾクゾクしている俺がいた。粘液はほぼ無味無臭。それとは別に少し他のと形の違う触手が口元に寄ってきているのに気がついた。
「これ、は?」
俺の口に入っていた触手が出ていったので問い掛ければ、今度はそれが口に入ってくる。その触手は先端にまるで小さな葡萄の粒みたいなものがぷちぷちと生っていた。
「んぐ……」
ぷちぷちぽこぽことしたその感覚は動かされると妙な感覚になる。それなりに大きな触手なので口枷をされているかのようだ。しかも変に隙間があるせいで俺の唾液が漏れ出てしまう。
俺も痛くされたくないから、触手を噛まないようにしなきゃと思っていたんだけど、その触手は自ら俺の歯にぷちぷちを当ててきている。
「ひゃんへ……はんひゃうお……」
俺の口の中でぷちぷちが弾けた。口の中に広がる花のような香りとスッキリとした甘み、それに僅かに感じる爽やかな酸味。高級な蜜のようなトロリとしたものが溢れる。相変わらずニュルニュルと動いている触手にそれを飲まされた。うっとりするほど美味しい……。
でも身体に熱を与えてくるのはどうやらこの蜜ではなくて、体表の粘液のほうみたいだ。いつの間にか俺のベチョベチョの服は首や膝に引っかかるだけになっていた。
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