6.とんでもない……*

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「こっ、怖い……」    俺が身体を強張らせたら、触手ちゃんが優しく全身を撫でてくる。ううう……めっちゃ気遣われてるじゃないかと、情けない気持ちにもなってくる。だけど、下から侵入されるとか初めてだし、いくら曽祖父の日記を読んでいたとしても怯えちゃうのはしょうがないと思うんだ……。  そうしている間にも細い先端が穴の縁でつぷつぷと入れ替わり立ち替わり出たり入ったりしている。くすぐったくてゾワゾワするような、ほんの少しだけ気持ちいいような、変な気分だ……。 「う……はぁ……あっあっ」     俺が少し慣れてきたのがわかるのか、一本の触手が奥に入り込んできた。とても細い先端と違って、徐々に太くなっていく触手が入ってきてわずかに苦しさを感じる。と、思ったところで、入りこんだ触手がずるるっと抜けていき、俺は情けない声を上げてしまった。    ──あぅぅ……出ていくときのほうが、その……なんていうか……。    俺のソコがきゅっと締まると、別の触手の先端が縁を撫でてきて、まるで力を抜けと言われているみたいだ。泣きそうになりながらも、触手ちゃんに身を任せていると、もう一本の触手が割り込んできたのがわかった。   「まっ! 待って! まだ……あひっ」    二本が交互に出入りすることで、自分のソコが大きく拡げられていく感じで恐怖を煽る。拡がるたびに触手が奥に進んでくるのが余計に怖いというか。   「ううー! ううー!」    俺の穴でしごかれるのか、ポタポタと触手の粘液が滴っていくのが自分のことなのにいやらしく感じる。そして、ごりゅごりゅと内側で絡み合って太さを増した触手が、俺の奥の奥をこじ開けようとしていた。意思を持って中で角度を変えながら入ってくるのだから、俺にできることなんて何もなく……。というか、これも催淫作用のせいなのか、穴の縁も内側も熱くて……。  ──どうしよう、これ……やばい、気持ちいい……。  ふと、ガラスに映った自分の痴態が目に入った。ひぇって一瞬思ったものの、我に返るにはあまりにも刺激が強いし、触手ちゃんが発情しちゃってるから止めるのは無理だろう。自分の痴態なのに見てて赤面するくらい、いやらしすぎて、それを見てまた勃起させてしまったのも恥ずかしい。   「ひゃぁんっ……だ、だめ! 勃ったらすぐ出るわけじゃないってば!」    ちゅっぽちゅっぽと音を立てて、ペニスを覆っている搾精用の触手が蠢いて、思わず悲鳴を上げた。ペニスを刺激されれば自然と後ろは締まる、のに、みっちりと埋め込まれているから穴はヒクヒクするばかりだ。しかも、その自分の意識しない動きで、内側が押されて射精感にも似た感覚がこみ上げてくる。   「ぁあ゛……うぐ」    勢い良く飛び出る感じでもないけど、多分こぼしたんだと思う……でも即吸い取られてるからよくわからない。もう自分じゃ冷静に判断なんてできなかった。クラクラして気持ちよくて、首筋とか耳とか、乳首も全部が性感帯になってるんじゃないかってくらい。  俺の身体が完全にとろけてきているのを触手ちゃんは把握しているんだろう。俺の後ろにもう一本侵入しだしたけど、俺はもう涎を垂らしながら抵抗もできなかった。  そんな俺の口元に、またあのつぶつぶのついた触手が寄ってきて、あの粒を吸わされる……甘い……。   「ぁ゛ー……ぁ゛ー……ぐっ、うぅ……」  ──ジュルルニュチュニュチュ  あちらこちらで聞こえる触手の擦れる音が耳を犯す。その音だけで身体が反応しちゃうのはなんなんだ……?
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