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「怖かったな」
日高が抱き締めて俺の背中をポンポンと撫でる。
途端にボロボロと涙が零れてギュッと日高のシャツの背中を握り締めた。
そうやって日高は俺が落ち着くまで抱き締めてくれていた。
「風呂。入ったら手当てするから入って来いよ」
日高に促されるが、「……一緒に入って」と誘った。一人にされるのが怖くてその温もりが与えてくれる安心感に縋りたかった。
日高は「いいよ」と言って一緒に入ってくれた。
温めのシャワーは傷にしみる。日高に流してもらいながら身体を洗った。
「これ、何だ?」
お湯に濡れるとかけられた液体は余計にヌルヌルした。
俺は恐怖にまた震えて、「俺が洗ってやるからお前、目つぶってろ」と日高が俺の手からシャワーを取り上げた。
「目つぶったら……怖い」
「じゃあ、俺に掴まってろ」
日高に引き寄せられて腕を回した。服を脱ぎ捨てた日高は服装の上からでは分からなかったけどがっちりした逞しい体型をしていた。
腕を回して肩に額を付けた。シャワーをあてられて日高の手がヌルヌルした液体を流していく。
足や腹を流されてから、日高は遠慮がちに「どこまでされた?」と聞いてきた。
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