喧嘩っぷる

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 先生にも、「いい加減諦めろ」と言われたが、諦めてどうにかなる問題でもないのだから仕方が無い。  午後の授業が終わると高橋と一緒に学校を出た。電車通学だから駅までは一緒だ。 「なあ、ゲーセン寄ろう」  俺が誘うと、「わりぃ。俺、今日デート」と高橋は顔をにやけさせてそそくさと駅の構内に向かって行った。  俺は高橋とは反対方向の電車に仕方なく乗り込み、2駅先の自宅のある駅で降りた。学校まで自転車で行けない距離では無いのだが……自転車を持ってないので仕方が無い。  一人っ子で共働きの両親。小さい頃から一緒に遊んだ記憶も少ない。だから……自転車の練習もしたことがなくて、自転車に……乗れない。  いや、たぶん乗ろうと思えば乗れないことは無いだろう。  駅から自宅までの間には大きな公園を迂回する必要がある。だけど、面倒だから……横切る。 「あ、サエキアキ君」  急に後ろから名前を呼ばれて振り返った。 「なっ何でお前がここにいるんだよ」 「何でって。俺、近所だし」  目の前に現われたのは昼休みに殴った日高だった。すでに制服は着替えていて、自転車に跨ってどこかへ出かける途中のようだ。
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