喧嘩っぷる

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 棒で身体を押さえられて、植え込みの中を進み、太い木に押し付けられた。 「離せっ、気持ちわりぃいんだよっ」  暴れて抵抗するが男は棒を横に持ち替えて、どこに持っていたのか俺の手をその棒に手早く結び付けてしまった。  足掻いても食い込むばかりで解けない。蹴り上げると男の足にヒットしたが、「いてぇなぁ大人しくしろよっ」と拳で頬を殴りつけられて地面に倒れ込んだ。長い棒が結び付けられていて起き上がれない。  男が片方の棒の先を足で踏みつけるとそちら側の腹に激痛が走る。  抗って足をバタつかせるが、男はグイグイと余計に踏みつけて俺のズボンを下着ごと無理やり引き剥がした。 「何考えてやがんだっ。離せっはなせっ」  叫びまわし声も枯れる。男は笑いながら俺の片足を手を縛って余っていた紐に結びつけた。 「いい眺めだなっ。はははっ」  笑いながら押し掛かってくる。  地面に直にこすり付けられる腰や足が擦れて痛むが、それどころじゃない。暴れて、何度も殴られて蹴られて、痛みにぼーっとしてくる。
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