カプセルイン寝世界

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カプセルイン寝世界

 ――あと一回。あと一回アラームが鳴ったら……絶対に起きるのだ! 「……今朝も起きられませんでした」  仕事の昼休み、美夢(みゆ)は職場の先輩に打ち明けた。  寝具メーカーの総務部。他に社員がいないのを良いことに、社会人2年目の美夢は子どものように甘えた態度になってしまう。先輩は美夢にとって、もうひとりの姉のような存在だ。 「美夢ちゃんは自己管理ができて偉いと思うけど……とりあえず、午後の業務まで寝なさい。今、かなり眠そうだよ」 「うう……すみません。じゃあ、お言葉に甘えて」  美夢はデスクに突っ伏し、すとんと意識が落ちるのを感じた。
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