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 車が止まる。  一度だけ行ったことのある、陸のマンション。  あの頃は陸が浮気するなんて想像もしなかった。    本当に、、、 本当に陸はもう私の事好きじゃ無いの? 付き合っていた時はよく好きだって言ってくれたのに。 確かに最近はあんまり一緒にいてくれないなって思ってたけど、、、 別れても尚、まだ陸のことを考えている自分に自嘲する。 前を歩く美紅の顔をこっそり覗く。 美紅は今にも泣き出しそうな顔をしていた。 、、、なんで美紅がそんな顔をするのだろう。 (『陸と出かけるって決めたのは美紅なのに。』) 美紅に聞こえない大きさで呟く。 、、、 自分で言ってて自身が嫌になってきた。 美紅のことは私が守る、何があっても信じるって決めたのに。 『、、、親友失格だな。』 『澪?何か言った?』 『なんでもない。』
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