詩『母の恋』

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『母の恋』 両親が 亡くなった 実家へは ひさしぶり 遺品とか 片づけて 見つけたの 日記帳 あきらかな 浮気?でも 創作(デタラメ)と 思いたい 親父とも 仲良くて ぼくの自慢の 家族だった 「好きでした。  死んだってあの拓郎(ひと)を、愛してる。  許せれば、  あの拓郎(ひと)にそのことを……。」  届けたい、か。 秋の日に 連絡し 喫茶店で 待ち合わせ 悔しさと 悲しみと 淋しさで 泣きそうで 白髪で 杖をつく おじいさん 入ってきた 独身で 同級生 おだやかで やさしくて 「好きだから会えなくて…」 「ごめんね…」と そう言った 泣き出した その拓郎(ひと)は あの母の “恋”でした 結ばれる 恋もある 結ばない 愛もある  ただ 家族 それだけは 大切に してくれた
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