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 突然、目前に舞い降りた瑠璃色に輝く優美な鳥と目が合い、行商人のポタルは驚いた。  黒眼だ! ソレは、幻獣種の証。  ということは、目前の鳥はただの鳥ではない。  知性ある、力在るもの。  ポタルはその場に額づいた。 「どうか、どうかお助けください――! この街道を北上したところに、ボーガナルという街がございます! そこの商人ギルドに……」  そこで、彼は震える指で、懐からギルドの紋章のあるメダル――裏に自分の印が刻まれたものを差し出す。   「この紋章のある建物に、この小瓶を届けて下さいませんか? どうか、お願い致します。このポタル、我が身で成せることならば、何でも致します! どうか、どうか何卒お聞き届けください!!」  唇を噛み締め、決死の想いで平伏を続けるポタルの元に、さほど間もおかず、「応」というイメージが伝わってきた。  言葉ではなく、イメージで意思疎通をするところを見ると、この幻獣種は若く幼いらしい。  あり得ない幸運に見舞われ、ポタルは茫然自失しそうになる心を叱咤し、爆速で事情を記した手紙と薬、そして、商人ギルドの証のメダルをフェイに差し出した。 「ありがとうございます! 本当に、……本当にありがとうございます。この礼は、必ず。どうかよろしくお願い致します」  これに対し、フェイはちょっと首を傾げた後、軽く頷き、その翼を大きく広げた瞬間――不思議なことに、ポタルが差し出したモノは全て目の前から消え失せる。と、共に、フェイは空へと舞い上がり、一路北を目指して飛び去っていった。
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