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もし推しと会えるなら
「もし、推しと会えたら愛梨亜はどうする？」
休み時間、親友の美歩に皇くんのカッコ良さを
伝えていると、突然そんなことを言ってきた。
美歩はhappinessのリーダーである
高宮彰くんの古参ファンだ。
「え〜、とりあえず一緒に写真撮ってもらうかな。
あとLINE交換したい」
「写真撮ってもらうのはいいけど
LINE交換は迷惑ファンじゃんっ」
「だって好きな人とは1日中繋がってたいし？」
「愛梨亜が束縛系彼女になる未来が見える……」
「失礼な！ ちゃんとLINEする頻度は
少なめにするもん！」
「どうだか。あたしは一緒に写真撮ってもらって
婚約指輪をつくりに行く」
「あんたの方が絶対やばいから」
もし皇くんに会えたらか。
想像するだけで胸がときめく。
でも、現実は恋愛ドラマのようにうまくいかない。
伊月が言うように
そろそろ現実の男性に
目を向けた方がいいのかもしれない。
将来的にも。
だけど私、男子に興味ないんだよね。
深いため息をつくと、私は来週のライブのために
作ったうちわを見つめた。
そこには『ウインクして！！』と
文字が並んでいる。
わたしはきっと
一生、あなたを好きでいることをやめられない。
たとえ手の届かない存在であっても
わたしはずっと皇くんを応援してるからね。
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