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副作用
金田一俊介と中野は、正反対の性格を持つ凸凹コンビだが、二人が協力するとき、その能力は誰にも負けないほど強力だ。
***
ある日、俊介と中野は、静かな山奥にある古びた屋敷に招かれた。この屋敷は、かつて名探偵であった俊介の父が一度だけ訪れたことがある場所で、未解決の謎が残されていると言われていた。
「ここに来るのは久しぶりだな、俊介。君のお父さんが解けなかった謎って、いったいどんなものなんだ?」中野が不安そうに尋ねた。
「さぁな。でも、父さんが解けなかったってことは、相当な難問だろうな」俊介は軽く笑いながらも、その目には決意が宿っていた。
屋敷に足を踏み入れた瞬間、二人は異様な雰囲気に包まれた。古い家具や壁には、長年の年月を感じさせる埃が積もっており、静寂が重々しくのしかかる。
「この場所、何か悪いことが起こるんじゃないかって気がする」中野がそうつぶやいたとき、突然、遠くから不気味な音が響いてきた。
「気をつけろ、中野。ここには、ただの謎だけじゃない何かが潜んでいるかもしれない」俊介は鋭い目つきで周囲を見回し、少しでも不審な点を見逃さないように集中した。
しかし、彼が注意を怠った瞬間、不意に背後から影が襲いかかってきた。鋭い痛みが走り、俊介は倒れ込んだ。彼の体が弱っていることを知っていた敵は、その隙を狙ってきたのだ。
「俊介!大丈夫か!」中野が叫びながら駆け寄るが、俊介は苦しそうにうめいていた。彼の推理力が下がり、冷静さを保てなくなってしまったのだ。
「くそ…俺は父さんみたいに強くない。こんなところで終わるわけには…」俊介は必死に立ち上がろうとするが、その体は思うように動かない。
そんな俊介を見た中野は、決意を固めた。「俺がやるしかない!魔法を使えば、俊介を助けられるはずだ!」
中野は、これまで抑えてきた自分の力を解放するため、悪行に手を染めた。彼が手に入れたのは、闇の魔法だった。それは俊介を守るための、最後の手段だった。
「ここからが本番だ!」中野はその場で不思議な力を発動させ、屋敷の中に広がる闇を操り始めた。その力は、俊介の目の前に現れた敵を打ち倒し、俊介を守り抜いた。
「すごいじゃないか、中野…まさか君がこんな力を持っていたなんて」俊介は、まだ息を整えながらも、目の前の光景に驚きを隠せなかった。
「いや、俺だっていつもこんなことができるわけじゃない。ただ、今回は君を助けたくて…そのために少し悪いことをしちゃったかもな」中野は照れくさそうに笑った。
しかし、その悪行の代償として、中野の魔法はその力を使い果たし、もう二度と使えなくなってしまった。しかし、それでも二人はこの危機を乗り越え、屋敷に隠された謎を解き明かすため、再び立ち上がった。
「さぁ、行こう。俺たち二人なら、どんな難問も解決できるはずだ!」俊介はそう言って中野に手を差し伸べた。
二人の旅はまだ続く。彼らは時に失敗し、時に挫折することもあるだろう。しかし、俊介の推理力と中野の機転があれば、どんな困難も乗り越えていける。そう信じて、彼らは再び前に進んでいった。
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