2人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなある日のこと、あたくしは、腹部に妙な圧迫を感じました。脂っぽいものを食べ過ぎたのかもしれない。ストレスで荒れてしまったのかもしれない。思い当たる節は色々とありました。そのどれもが、平凡な日常の思い出でした。
医者の不養生とはよく言うものです。あたくしは、エコーをとることにいたしました。腹にジェルを塗りつけ、機器を腹へ当てます。下腹部に変異はありませんでした。圧迫もそこには感じられません。
あたくしが妙な圧迫を感じていたのは、胃の辺りでした。頭に過る不安と戦いながらも、あたくしは、ゆっくりと胃に向かって機械を当てます。
モニターに映し出されたものは――胎児の影でした。
第一章サンプルはここまでです。
この後の本編では、
傷口に指を突っ込み弄り回す、唇を重ね、舌を絡ませる、ヒトの肉を食べる等の描写があります。
次回は第二章サンプルになります。
最初のコメントを投稿しよう!