限界をこえた私に捧ぐ

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「うーん……」 「どうしたのだ?」 走りながら(飛びながら?)考える私に、鳥が話しかけてきた。 「今、私、パン持てないんだよね……」 「ようやく気づいたのか……」 呆れたような鳥の声が聴こえる。 私がアンパンを食べるには、何とかアンパンを店で買い、小屋で倒れている私に届けなくちゃならない。 しかし幽体離脱中の今の私は、すべてのものを透過しちゃうのだ。 「どうやったら、パンを届けられるかな……?」 「……ていうか、餓死寸前の人間にアンパンを届けるってどうなの……? もっと栄養価のあるものにした方がいいんじゃない?」 「食べたいものを食べるのが、一番なんだよ?」 震えるキノコが何やら言っているが、今の気分はアンパンなのだ。 折角、(幽体離脱とはいえ)動けるようになったのだから、何としてもパンを小屋の私に届けたい。 「……そういえば、震えるキノコさんたちならパンが持てる?」 「ちょっと、震えてたのは誰のせ「いや、我々では無理だな」」 何か言いかけたキノコの言葉にかぶせて、タンポポが私の疑問に答えてくれた。 「そっかあ、困ったな……」 どうしたものかとあたりを見回すと――― 「あっ! こんなところに……!」 「「「あ……」」」 4人はあるものと遭遇した。
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