皆一緒が良い

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空がオレンジがかり夕日が空に 見える頃 赤ずきんちゃんの家からは、美味しそうな匂いや楽しそうな 笑い声が溢れていました。 (ぐぅ~)狼は、腹の虫が鳴るのを ぐっと堪え丸くなり 赤ずきんちゃんの家の方を 恨めしそうに見ます。 そうして、赤ずきんちゃんが狼を 誘ってくれた言葉を思い出し 赤ずきんちゃんの手を振り払った 事を後悔していました。 しかし今更 一緒に食べても良いか なんて 言い辛くて言えません しかも家の中には、狩人も いるのです。 一緒になんか居られるわけがありません 狼は、空腹を忘れる為に眠りに つくしかありません。 少し涙が出て来た狼の顔の 横にカチャっとお皿が置かれる音が 響きます。 狼が顔を上げると.... 「狼さんパーティーに来てくれたんだ ありがとう!これ狼さんの分だよ!」 お皿の上には、沢山のお肉が 載っていました。 狼さんは、赤ずきんちゃんの顔をみると何故か涙が流れてきました。 狼は、体を起こし肉にかぶりつきました。 お肉は、塩が利いていました。 その塩の味は、狼の涙の味でした。 赤ずきんちゃんは、にっこり 笑いまた狼の前足を引っ張り家に 招き入れました。 狼は、涙が止まらなかったので 今度は、抵抗する気力が湧かず 赤ずきんちゃんに引っ張られる ままでした。 狼の姿を見た他の人々は、 目を丸くし口をあんぐりと開け 狩人は、腰の銃に思わず手をかけましたが 泣いている狼を 赤ずきんちゃんが慰める様に 家の中に引っ張って来るので 見ていた他の人々は、気が抜けてしまい 思わず苦笑し そして 赤ずきんちゃんの嬉しそうな顔を見て 警戒心が緩み 暖かく狼を迎えたのでした。
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