仲の良いライバル

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翌日。 誰も居なくなった静かな支店に、新開が1人。 他の従業員は皆、佐伯の見送りに向かった。 「……」 新開は佐伯の見送りには行かなかった。 顔を会わせたら、お互い泣く自信しかないと2人で話したからだ。 また必ず会おう。 そう約束をして、何度もキスをした昨夜。 そんな光景を思い出しながら、空っぽになった佐伯のデスクを撫でる。 その目には、また涙が滲んでいた。 「…別れじゃない。また、会うんだから」 そう言い聞かせながら自分のデスクに戻る。 新開のデスクの上には 昨夜別れ際に貰った佐伯のボールペンが、丁寧に飾られていた。 約束しよう、また必ず会うことを。  終
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