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『僕に良い考えがあるよう!』
「パス」
『まだ何も言ってないじゃないかあ!』
「たってなあ…」
鈴木の考えはともかく、山村の考えじゃあ、嫌な予感しかしねー。
『千夜くん、一応山村先輩の考えも聞いてみましょう。僕達だけでは、思いもつかない案を出してくれるかもしれません』
「わーったよ。山村、とっとと話せ」
『あのね、あのね!秘密基地みたいな所で、香澄ちゃんが話し易いサプライズ企画を立てるのどうかなぁ?』
秘密基地?
サプライズ企画?
本当に、それで香澄が自分の気持ちを打ち明けてくれんのか?
俺と2人きりの時でさえ、話さなかったんだぞ。
だが、鈴木は山村に話の先を促す。
『具体的には、どんな所で何をするのですか?』
『僕の通ってる専門学校の近くに、余り人が来ない大きな広場があるんだー。そこでバーベキューやるのは、どうかなぁ?』
「んなこと言って、山村。あんたが只単に肉食いてーだけだろ」
俺はすぐさま棄却しようとした。
だが、鈴木が山村の話に乗った。
『直前まで諸橋さんに秘密にして、皆さんで楽しいことをすることで、彼女の気持ちを新鮮で前向きなものに出来るかもしれませんね』
『保だけだと心の距離が近過ぎて、逆に話しずらい事もあると思うんだー』
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