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「家にあるので必ず返します、必ず」  それが必死と受け取られたのか冴子さんはと手で口を覆いくすりと笑った。手元に光った高級そうなリングがキラリと光った。さっきまでは蛍光灯の下で緑色に発色していたのに、今では赤っぽく見える。  それはアレキサンドライトという石なんだと教えてくれた。六月の誕生日というのも加えて。  
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