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 アレキサンドライト、携帯電話で調べるとこう出てきた。希少価値のある宝石、石言葉は高貴、情熱。なんだか冴子さんにピッタリだと思った。 「加奈子さんは何月生まれ?」 「私は九月です」 「あら、もうすぐね」 「そうなんです」 「九月の誕生石はなにかしら」  手に持ったままの携帯電話で続けて“九月 誕生石”と入力する。   「サファイヤ? 聞いたことあります。いろんな色がありますね赤や青やピンクなんかも」   「どれも素敵ね」そう言ったあと、私の携帯電話の画面を見ていた冴子さんが下の方にある文字を見て続けて言った。「石言葉は慈愛、真実、徳望、加奈子さんにピッタリね」   「いえいえ、それは」  私は頬を赤らめうつむいてかぶりを振った。 「真尋はなんだろう? たしか十月が誕生日だったから……」  そう言いながらさらに携帯電話を上に指をすべらす。すると“オパール”“トルマリン”と出てくる。
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