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冴子さんの家に戻り、簡易的なバーベキューの準備をし、お肉と野菜を焼いて食べた。真尋は人参を気づかれないように皿から鉄板に戻していた。
中庭へ行く、冴子さんの家はほんとうに広い。中庭でなんでもできる。プールだって空気を入れて膨らませればここでできてしまうほど。セレブなんだって確信した。そもそも疑ってはいたけど、私とは全く住む世界が違う人であり、その上、年齢も違って普段なら巡り会えない人、だけど会えた、数奇の巡り合わせから会えた。一期一会の出会い。なんて、私は勝手に思ってしまった。
立てかけてあるロウソクに真尋の持っている手持ち花火を近づけた。ぱちぱちと勢いよく炎が舞い、真尋は一瞬たじろいだ。刹那謙斗くんとのお絵描き合戦が始まり、花火の煙で何を書いているか当てるゲーム、それに夢中になっていた。
火傷しないように見守りながら大人組は椅子に座り切られた桃を先に食べていた。
「うーん、甘いよ、ふたりも早く食べな、ぬるくなっちゃう」
そう言っても遊びに夢中になっているふたりはすぐにはこない。ふたりの分だけはせめて残しておこうと約束しながら、二切れ、三切れとフォークを滑らせた。
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