53人が本棚に入れています
本棚に追加
「オパールだよ、いつか真尋が見せてくれた夕焼けバックのダンスが閉じ込めてあるんだ」
そう言うと真尋はわかったようなわからないような複雑な顔をしたあと、それを握りしめ、いつものようにきゅっと笑った。
あの頃と変わらない笑顔があって思わず笑みがこぼれた。
「あ、そういえば人参は抜いた方がいい?」
慌てて夫に頼もうと振り返ろうとした刹那、真尋はまたあの頃となにも変わってない笑顔で言ったんだ。
「今はもう、ダイジョブです」
了
最初のコメントを投稿しよう!