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5年ほど経った。
おれと和也は親友と呼べる中にまで発展し、会社も同じ所へ就職することが決まった。
おれはこの5年間、探偵とも協力し殺人の手がかりを限りなく探した。
もちろん警察にも訴えて見たが、もう自殺として処理されてしまったため、おれは相手にされなかった。
防犯カメラにも映っておらず、目撃者もいない。
しかし、ひとつ、警察官を渡せるほどの証拠では無いが、和也が犯人だと決定づけるものがあった。
それは、和也のメンタルの回復スピードだ。
和也は、あの事件から1ヶ月ほど経った頃には、メンタルが完全回復している様子であり、
おれが
「あの事件の事大丈夫か?」
と訊くと、
「ああ、もう完全に大丈夫だ」
と笑顔で答えた。
その後もあの事件に関連する会話を広げた。
できるだけ罪悪感を思い出させるような内容の。
おれはその時、探偵の指示で例の会話中の和也の声の波長を調べた。
それを専門家に渡すと、和也はあの事件にトラウマ、罪悪感が少しもなく、その代わりに少しの達成感があることが分かった。
波長は震えておらず、人間が自慢話する時のようになっていたのだそう。
普通の人間は人間の死に際を見た際、最低でも1年間はトラウマのように脳裏に残り、それは波長に現れるのだそう。
しかも、自慢するときと同じ波長がでるのは明らかにおかしい。
探偵さんも和也が殺したと言う事実はほとんど確定だと話した。
しかし、これだけでは起訴できない。
それから5年間、おれの中では和也が犯人と決定づけられたが、警察に起訴出来なければ意味が無いので、借金を増やしながら証拠をつかもうと探偵と調査を続けた。
しかし、成果は波長によるものだけで、証拠になるようなものは得られなかった。
おれは、警察を頼らず、自分で解決ことを決意した。
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