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まるで誘うようなその仕草にドギマギしていた私は、告げられた質問にぽかんとする。
「だってみんな婚約者がいたり、結婚していたりするし」
「誰でもいいってことですか?」
「誰でもとは言わないけど」
言いたいことがわからず困惑するが、きっと私のこの表情は仮面が隠してしまっているので彼には伝わっていないのだろう。
それと同じく、私も彼が何故そんなことを聞いているのかわからなかった。
「貴女の近くには、年の近い令息がいたと思いますが」
「え、誰かしら」
もしかして私は手頃な結婚相手を見逃したというのだろうか。
だが思い返してもジェイクのガードを越えてきた令息は思いつかない。
「常に隣にいる令息ですよ」
「え、お兄様?」
確かに兄は六歳上と四歳上。
年が近くジェイクのガードも越えているというか最初から内側だが兄ふたりは既婚だし、そもそも兄妹で結婚は出来ない。というか出来たとしても考えられない。
「今も隣にいますけど」
「えっ」
(今? 今って)
「まさか貴方のことを言ってるの?」
「ずっと僕のことを言ってました」
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