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確かに私の隣にはいつも彼がいて、そして私に近付く令息たちをブロックしていたことは知っている。
「でもそれは番犬として……」
「そうですよ、僕は貴女の犬なんです。だから最後まで責任を取って飼って貰わないと」
当然だと言わんばかりにそんなことを口にしたジェイクが、繋いだままになっていた手を引きそっと私を抱き上げた。
そして向かうのはソファの向こう、この部屋の奥にある大きなベッド。
「ま、待ってジェイクっ」
「待ちませんよ、やっと成人したんですから」
「せ、成人って」
この国では確かに十八が成人。そしてジェイクが先日成人したのも間違いないが、だからと言って彼とこの先の行為をする理由にはならないだろう。
というか順番がおかしい。
それに私にとって彼は可愛い弟というか犬で、そしてその事は彼も認めている事実なのだ。
「私は飼い主なのよね……?」
だから落ち着いて。こんなことやめて。
そういう思いを込めて念押しするように確認すると、一瞬ぱちくりと目を瞬かせた彼がにこりと笑う。
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