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料理をテーブルに並べ、最後にご飯を金継ぎと僕用の茶碗によそい、ふたりで手を合わせで言った。
「いただきます」
伯母は60歳で会社を辞めた。専務の定年は64歳だったので、みんなから勿体ない、と言われながら、あっさりと同期で入社した他の社員と共に辞めた。
その頃、僕は社会人になっていた。
「せっかく自由な時間を作ったのに、爽が忙しくなるなんてね・・・・」
「判っていたことでしょう。ミッちゃんも若い頃はがむしゃらに働いたんじゃないの」
「うん、仕事は楽しかった。爽は仕事楽しい?」
「うん、楽しんでる」
「それは良かった。頑張りなさい」伯母は嬉しそうに言った。
時々、休日も無くなるほどハードだったが、仕事は楽しかった。
25歳の時に、アメリカでのプロジェクト参画に抜擢された。プロジェクトメンバーとしては最年少だった。その仕事の内容を聞いて、伯母は喜んでくれた。
「やったじゃ無い。じゃあ、お祝いを帝国ホテル(のレストラン)ででもやろうか?」
僕は「いや、ミッちゃんの手料理がいい」と言った。
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