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「うん、そうだな」父親が同意した。そして「そんなに来たことはないけど」と付け加えた。その言葉にみんなが頷いた。伯母はあまり自分の部屋に他の人を呼ばなかった。僕を除いては。
「あら? こんなところにキズがある」となりの部屋に行っていた母親が、少し驚いた様に言った。4cmほどの引っ掻いたようなキズだ。
そのキズを付けたのは僕だ。
僕だけは、子供の頃から頻繁に来ていた。幼稚園~小学生の頃は、狭くて自分の部屋を持てない僕の為に、伯母のマンションの一部屋が僕の遊び部屋になっていた。
小学3年生になると携帯電話(もちろんキャリアの契約も)を買ってくれた。不公平にならないようにと姉にも買ってくれた。最近は物騒だから緊急連絡の為にという理由だったが、僕は単に伯母が僕を呼び出したいだけだったと思っている。
両親はまだ携帯を持たせるのは早いと思ったようだが、買ってくれるものを断る必要も無い、と承諾してくれた。結果、両親も子供達への連絡に重宝していた。
携帯電話は、iphoneの発売と共にスマホに変わった。周りの友達から(まだ、小学生の高学年だったので)ずいぶんをうらやましがられたものだ。
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