練習を終えて

4/4
前へ
/43ページ
次へ
「……そっか、そんなことが……」 「……はい。でも、丹羽(にわ)くんの仰ることは尤もだと思います」 「……神坂(かみさか)くん」  僕の話を聞き終えると、顔を俯かせ呟く東條(とうじょう)くん。そんな彼の様子から、僕のことを心配してくれているのがひしひしと伝わる。……うん、ありがとう東條くん。  でも、今言ったように丹羽くんの言葉は尤もで。ずっと真摯に野球に向き合い、日々懸命に励んできたであろう皆の中に、ルールもロクに知らない初心者が当然入ってきて……うん、それは快く思うはずないよね。それこそ、笑顔で迎えてくれた古河(ふるかわ)くんのような人の方が少数派で―― 「……なあ、神坂くん。今から、少し時間あるか?」 「…………へっ?」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加