本題

3/3
前へ
/42ページ
次へ
 そう、躊躇いがちに尋ねる。きっと、僕なんかが皆に――今までずっと頑張ってきた皆に付いていこうと思ったら、部活だけでは全然足りない。だから、繰り返しになるけど東條(とうじょう)くんの提案は本当にありがたい。……だけど、それだと僕のために東條くんが負担を―― 「……ああ、そういうことか。それなら気にすんな。俺が、そうしたいから――俺が、お前と一緒に上手くなりたいから言ってるだけだしな」 「……東條くん」  すると、ニコッと微笑み告げる東條くん。それが、どこまで本当かは分からない。全部嘘とまでは思わないまでも、僕のことを気遣って言ってくれている可能性はやはり否めない。……それでも―― 「……はい。不束者ではありますが、是非とも宜しくお願いします……東條くん」 「ははっ、なんだそりゃ。ああ、こちらこそ宜しくな、神坂(かみさか)くん」  そう答えると、可笑しそうに微笑み――そして、太陽のような笑顔で応えてくれる東條くん。……うん、そう言われちゃったら断る理由なんて思いつかないし。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加