The phantom summer comes

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The phantom summer comes

「はぁーーーー」 ため息をつきながら見上げる窓から見えるのは、やたら青い、そして太陽が主張しすぎている、空。 室内に響く、どこか空虚なテレビのニュースは現在の気温が35度を越えたことを妙に陽気に伝えている。 まったく、今年の夏はどうかしてる。 今の気温もさることながら、個人的なことに関してもだ。 自分の身に邪神が降りたり、その力を狙う連中とやり合う羽目になったり。 「……ほんと、どうかしてる」 そうつぶやいた火ノ宮紅香の背後に、ふと現れた影があった。 「何がどうかしてるってのさ、紅香」 そう声をかけてきたのは、すでに死んだ人間であるはずの幼なじみ、神代静馬だ。 紅香を守るために死んだ、幼なじみ。紆余曲折あって、彼は今、紅香の守護霊となっている。
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