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「……お前ら、今日は帰れ」
「えー!? なんでよー! なんかおもしろい事件なんじゃないの? それなら! この正義のヒロイン、紅香ちゃんの出番でしょうが!」
特撮ヒーローものでよくある、シャキーン!という効果音でも鳴りそうなポーズをつける紅香に、翔悟が暗い顔で肩を落とす。
「……なら、なおさら帰れ。正義のヒロインが、悪の組織のボスの依頼を受けるわけにゃいかんだろ」
「へ? 悪の組織?」
紅香の言葉に、翔吾は頭を抱える。
「ああ。まあ、なんだ……平たく言えば、その……『ヤ』なヤツというか……」
「嫌なヤツ? 別によっぽどじゃなきゃそんなの……」
翔悟の言に、ふと思い至ったらしい静馬が言葉を発する。
「ああ……それは紅香、あんまり関わらない方がいいと思うよ。まあ、なんというか……多分、めんどくさい話になるから」
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