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印象的だったことを話していると、アズサくんが笑いながら聞いてくれよ、と話し始めた。
『男性ファンがさ、俺のうちわ持ってたんだよ。うちわ作ってくれるほど好いてくれる男性ファンが嬉しくて、うちわの内容見たら『アズサ、投げちゅーして』って書いてあったんだ。これは絶対に応えないと! って近くにいたシンと二人でやったら、めちゃくちゃ微妙そうな顔された』
『俺が一緒にしたからダメだったのか? ってちょっと落ち込んだ』
シンくんが苦笑いを浮かべる。
『本当に俺のファンだったかも分からないんだよな。俺のうちわ持ってるのに、髪型はリオンだったし』
『じゃあ俺のファンで、アズサのうちわは持たされてたのかもしれない!』
リオンくんが、俺のファンだよね? とこちらに問いかける。
「姉さん、これ、吏希のことだよ!」
吏希が話題に出されて、姉さんの肩を思いっきり叩く。
「じゃあ私が作ったうちわにアズサが反応してくれたってこと? 幸せすぎる」
レイズが吏希のことを話しているのが嬉しすぎて、アーカイブを何度も見返すだろうな。吏希とも一緒に見たい。
「……ねぇ、何でレイズより吏希くんのことでそんなにテンション上がってるの?」
「え? そうかな? いつも通りだと思うけど」
「だってリオンの寝顔より吏希くんのことで喜んでるように見えるし」
そうなのかもしれない、と言われて気付く。今までだったら、リオンくんを見るだけで他のことは頭から抜けていくほどだった。それが寝顔というお宝映像にも関わらず集中できずにいた。頭の中を吏希が占めている。
今日は断ってしまったけど、明日自分からデートに誘ってみよう。そう思えたら少し心が晴れた。
レイズの生配信も姉さんと一緒に楽しめた。
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