1日目 18:20

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1日目 18:20

真央は浮き輪を持ったまま海から上がる。 真央「ふぅ……久しぶりにはしゃぎ過ぎちゃった……」 大和「よお、真央。満喫しているみたいだな。お前にちょっと聞きたいことがあるんだが、格ゲーできるか?」 真央「何さ、藪から棒に。格ゲーはコマンド入力が難しすぎてできないよ」 大和「そうか。できないなら別にいいや」 真央「まったくこんなところに来てもゲームの話なんて風情がないね、大和は。もっとここでしか出来ないことを満喫しないと!」 大和「いや、俺は泳ぎ疲れちまったからな。ちょっと休憩したいぜ💦」 辺りを見渡すと、もう空はオレンジ色になりかけていた。 真央「ふーーーーん。まあそろそろ夕暮れだし、皆も引き上げるでしょ」 大和「それにしても楽しかったぜ。㊙️倶楽部のメンバーではしゃぐのも悪くないな」 真央「そうだね。かつてのように皆とはしゃぎ回れてよかったよ……。ウィリアムも一緒だったら、もっとよかったけどね……」 大和「真央……」 2人は暗い顔をする。 元㊙️倶楽部のメンバー、『ウィリアム』。イケメンで少し頼りないお人よしで、皆の憧れだった。そんな彼が自殺したのは、大学を卒業して数年が経った日のことだった。 二人は砂浜に座り、海に沈むオレンジ色の夕日を眺める。低い声で暗い顔をしたまま話し合った。 真央「ウィリアムの自殺……。確か遺書が残っていたよね?」 大和「ああ。マルチ商法に引っかかって、借金が加算じまって自殺したらしい。確か『ビトクノメガミ』っていう会社だったかな?金運の上がるっていう、胡散臭い商品を扱っている会社だぜ」 真央「ウィリアムはお金にがめつい奴じゃなかった。それに迷信深い性格でもなかった。オカルトサークルに入ったのだって、オカルトを信じているわけじゃなくて、真央の勧誘に断りきれなかったからだったし……」 大和「恐らくマルチ商法に引っかかったのも金運が欲しかったんじゃなくて、友人の頼みを断りきれなかったからだろう」 真央「最期までお人よしだったんだ……。結局遺書に、勧誘してきた友人の名前は書いてなかったらしいし」
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