7人が本棚に入れています
本棚に追加
僕のSpecial Feast
天候の悪化とシステムトラブルとかで飛行機が遅れ、マンションにたどり着いた時にはもう、すっかり陽が暮れていた。
相変わらず雨は降り続いていて、さすがにちょっと気持ちが重い。
彼に送った「明日は午後からイベントだから、会えるのは明後日かな」というコメントには、泣き顔のスタンプがひとつ帰ってきていた。
そのあと「JJたちとご飯行く」という、特に知りたくない情報が送られてきて、「飛行機が遅れてる」という僕のコメントに返信は来ていなかった。
彼は明日もコンサートのリハーサルのはずだから、何とか時間を作り、絶対にこっそりと様子を見に行こうと心に決めて、部屋の鍵を開ける。
ため息とともにリビングに足を踏み入れると、サイドテーブルの小さな灯りが、ソファに眠るもこもこのバスローブ姿を浮かび上がらせていた。
なんてことだろう。天使が眠っている。
最初のコメントを投稿しよう!